コラボ小説 | ナノ
 6日目 12

「リアラお姉ちゃん、お願いがあるの」


食後のお茶をみんなで飲んでのんびり寛いでいると、突然ディーヴァから言われた。
ディーヴァはもじもじ言いづらそうにしながら、視線を横にしている。


「お願いって?」

「あのね、その…背中に乗せてほしいの……ダメ?」

「背中に?ダメってことはないけど…おんぶしてほしいってことかな?」


16、7歳はもう大人の仲間といえるが、その反対にまだ子どもとも言えなくもない年齢だ。
気丈に見えても、まだ母の愛に飢えているのだろう。
自分に母の面影が見えた、とでも言うのだろうか。
返事しようとしているリアラに若の横槍が入る。


「おぶるくらいオレがいつでもしてやるぞー。んで、オッパイを背中に押し付けてくれ」

「そ、そんな破廉恥なことするわけないでしょ!」


真っ赤になって抗議するディーヴァはかわいらしいものだが、若はそろそろいい加減にした方がいい。
リアラの堪忍袋の緒はこの世界でゆっくりほどけていった。


「ねえダンテ、もう一度言ってみようか?」


ゴゴゴゴゴ…。
何か黒い、それでいて冷たい空気を感じて後ろを見れば、リアラが一瞬で出現させたでかい氷柱の塊を持っていた。
笑顔なのに目が笑ってない。

ギョッ!
あんなものを放たれたら命どころか、家まで倒壊してしまいそうだ。
若はすぐさま土下座な勢いで謝った。
冷や汗が止まらない。


「ワ、ワーイ!ナンデモナイデース!」

「そう、ならいいの」


リアラが上へあげていた手をおろすと、持っていた氷柱の塊は魔力へと還り、瞬時に霧散した。


「ふー、危ねぇ危ねぇ」

「お前、マジで変態だな…」


買ってきた新聞でこちらの経済を軽く確認しながら「俺も若い頃はこんなに変態だったか…?」と思い返す髭だった。