コラボ小説 | ナノ
 6日目 10

スープのいい香りが漂い始めたころになってディーヴァが降りてきた。


「おはよう、遅くなってごめんね」

「おはようディーヴァちゃん」

「お。家主がやっと登場か。メシの支度は今やってるからな」

「今朝のメニューはサンドイッチだよ」

「わ、本当?2人ともありがとう。手伝わなくてごめんね」

「いいの。結構楽しいから」


そう言って仕上げのドレッシングを撹拌していく。
シーザーサラダにするつもりのようで、チーズのいい香りがしていた。


「ところでかなり叫んでたけど、ダンテに何かされた?」

「朝っぱらから騒がしかったな」

「あはは、ごめんね」


苦笑しながら謝っていると、背後から元凶の男が遅れて現れた。


「ふわぁあぁ。ハヨ、2人とも」


何も考えず大あくびしている若に、何だか腹がたったディーヴァは口に拳を突っ込んでやろうかと思った。
その気持ちを無理矢理押し込め、頬をぷくーっと膨らませる。


「ダンテが胸揉んできたの」


言われた若は、きょとんとしていたが次第にニヤニヤと笑う。


「いやあ…。夢の中でディーヴァとパン生地をさ、こねくり回してたんだよ。そんで起きたら…な?」

「あたしの胸はパン生地じゃないもん!思いっきり掴んで揉まれた〜」


えぐえぐと、泣くような仕草でリアラに飛び付くディーヴァ。
リアラはよしよしと撫でたが、苦笑することしかできない。
わざとやったことではないことだし。


「揉んでみた感想は?」

「いい感触だったぜ。次はちゃんと起きてる時に揉みたいぜ」

「へぇ…そりゃいいな」


男って、男って…。
ぷるぷるとうち震えるリアラだったが、その怒りが爆発するより先にディーヴァの攻撃が炸裂した。


「Wダンテのばかたれ!!」


ディーヴァが思いきり若の足を踏み、髭の脛を蹴り飛ばしたのだ。


「いでっ」

「あだっ」


いくら半魔でも痛覚はあるためか、地味に痛かった。


「ダンテ、少しは反省しなさい?ダンテさんもいい加減にしてくださいね」


リアラはため息をこぼしながらそう言った。