コラボ小説 | ナノ
 6日目 5

ひゃああああ!と叫びだす寸前で他の者に先を越された。


「きゃーーーっっ!!」


廊下を隔てた向こう側の部屋から、甲高い叫び声が聞こえてくる。
ディーヴァの声だった。


「あっちも同じ状態らしい」


ゆっくり衣擦れの音をさせて、髭は起き上がってククッと笑う。


「叫ばないのか?」

「…タイミングを失いました」


同じく起き上って、そばにあったクッションで顔を隠すリアラ。
それはまだ洗ったばかりのようでここの部屋の主の匂いではなく、お日さまとほのかな柔軟剤の香りがした。
元の世界でもこんな風に一緒に寝ることなんて、特別な時以外ほとんどないのに…。
顔を真っ赤に染めて口を尖らすリアラの頭を、髭はひと撫でして立った。


「おはよう、リアラ」

「おはようございます、ダンテさん」


差し出された手をとり、リアラも立ち上がって挨拶する。


「またこうして間近で朝の挨拶をかわせて嬉しいよ」


見つめあう2つの青い瞳は、髭もリアラも、どちらもわずかながら歓喜に潤んでいた。