コラボ小説 | ナノ
 5日目 33

「ラブラブだなー、お邪魔だったか?」


突然響いた声に、リアラは驚いて後ろを振り向く。そこにはニヤニヤと笑みを浮かべてこちらを見る若と、ディーヴァの姿。


「こらダンテ!ごめんねリアラお姉ちゃん、驚かせちゃって…」

「だって、あんなにイチャイチャしてたらなー、邪魔できないだろ」

「い、イチャイチャって…!」

「なんだ、羨ましいのか?」


真っ赤になるリアラとは逆で、髭は悪ノリしてリアラをぎゅーっと抱きしめる。ひゃあああ、と悲鳴を上げるリアラを見て、ああ、世界が違っても根っこの部分は同じ『ダンテ』なんだな…、とディーヴァが思っていると、ふいに身体が浮いた。


「別に羨ましくなんかねーし。同じことすればいいだけだろ?」

「ちょ、ちょっと、ダンテ!?」


抗議の声を上げるディーヴァを無視し、若はディーヴァを抱きかかえると、髭の隣に移動してその場に座る。もちろん、髭と同じように自分の両足の間にディーヴァを座らせて後ろから抱きしめる体勢で、だ。
リアラとディーヴァは、困ったように顔を見合わせる。
ふいに、若が口を開いた。


「さっきリアラが歌ってたの、なんて曲だ?」

「『アヴェ・マリア』だよ、有名でしょ。それくらい知っときなよ、ダンテ…」


呆れたように言うディーヴァの横で、リアラが驚いた声を上げる。


「二人共、聴いてたの!?」

「様子見に来たらたまたま、な」

「ごめんね、盗み聞きするつもりはなかったんだけど…」


二人の言葉に、リアラは真っ赤になって両手で顔を覆う。ああ、穴があったら入りたい。


「でも、リアラお姉ちゃん、声きれいだねー。すてきだったよ」

「そう…かな?」

「だろ?リアラは歌を歌うのが好きだからな」

「だろうな、前にも歌ってたし。…そうだ、ディーヴァも一緒に歌えよ!」


若の言葉に、ディーヴァは目を瞬かせる。