▼ 5日目 28
「警察に連絡しといた。もう少ししたらこっちに来ると思うぜ」
「そっか、ありがとう、ダンテ」
「そんな礼を言われるようなことしてねーよ。…しっかし、ひでーもんだったな。あいつの自室だろう部屋に何人もの女が並べられててよ、中には薬漬けにしてるのまであった。正直吐き気がしたぜ」
先程見た光景を思い出し、若は顔をしかめる。
あの後、セラータに殺された男の死骸をどうするかという話になり、せめてもの情けで埋めてあげようとリアラが提案したのだが、その前に罪を償わせるべきだと若と髭に言われ、行方不明になった女性達も見つけなければならないということで意見が一致し、警察に連絡して任せることになった。
なら、自分が屋敷の電話を使って連絡しようとリアラが行こうとしたのだが、若がそれを引き止め、連絡の役目を引き受けた。いくらリアラもデビルハンターで依頼でいくつもの悲惨な光景を見てきたとはいえ、わざわざ自分と同じ女性の惨い姿を見せるわけにもいかないだろう。
そっか、と頷き、リアラは俯く。
「せめて、その人達がご家族の元に帰れるといいわね…」
「帰れるさ、きっと」
リアラの頭に手を置き、髭は優しく言う。髭を見上げ、リアラは頷く。
「でも、ディーヴァちゃんが無事でよかった。あの手紙を読んだ時は、本当に心配で…」
「心配させてごめんね、リアラお姉ちゃん。ダンテも助けにきてくれてありがと」
「恋人を助けるのは当たり前だろ?」
そう言い、若はディーヴァの腰に手を回し、自分の方へと引き寄せると、リアラと髭を見る。
「しっかし…こうやって間近で見ると、オッサン本当に体格いいな。羨ましいぜ」
「お前もそのうちこうなるさ。とはいえ、ちゃんと鍛えておけよ?にしても…」
一旦言葉を区切り、ディーヴァをまじまじと見ると、髭は続ける。
「ディーヴァ、お前…胸でかいな。本当に学生か?」
「なっ…!」
髭の言葉に目を見開き、思わずディーヴァは胸元を手で隠す。さすがのリアラも目を見開き、顔を真っ赤に染めた。
「ダ、ダンテさん、何言って…!」
「だろだろ!?すっげーデカイだろ!?いつか生乳揉んでみてーもんだぜ!」
「ダンテ、何言ってるのよ!この変態!!」
「本当に懲りないわね…この場で凍らせてあげましょうか?」
「うわ、氷漬けはマジで勘弁してくれ!」
慌てる若にリアラが手を掲げた、その時。