▼ 5日目 26
ビキキッ!
『!』
二人に迫っていた針が、音を立てて凍りついた。凍った針の向こうには結界に手をついたリアラの姿。
「あんたもろとも凍らせてあげる…!」
そう言い放つと、リアラは結界に触れている手に力を込める。
「Be frozen hard!」
結界から広がるように、急速に地面が凍りついていく。危機感を感じたセラータは逃げようと鏡を呼び出すが、間に合わず足が凍りついて動かなくなってしまった。
地を蹴り、結界の上に飛びのったリアラが愛銃のホワイトウルフを構えた、その時。
「リアラ、ちょっと待ってくれ」
髭の声に、リアラは動きを止める。
「ダンテさん…」
「俺もそいつに怒りを感じてるんだ、一緒にやらせてくれ」
思うように使われ、魂を取られた男を気の毒に思わないわけではない。だが、それよりも何よりも、リアラを自分のいる世界に引き摺り込み、彼女を苦しめたのが許せないのだ。
髭の言葉に、隣にいた若も手を上げる。
「オレだってディーヴァを連れていかれて怒ってんだ、オレも一緒にやるぞ!」
「ダンテ…」
リアラは二人を見つめると、ふ、と苦笑する。
「…仕方ないですね」
リアラの言葉に髭と若は笑みを浮かべると、髭はエボニーを、若はアイボリーを取り出す。