コラボ小説 | ナノ
 5日目 22

「さあ、楽しいパーティーの始まりだぜ?」

「Let’s rock!」


そう言うと同時に、二人は大きく跳躍する。こちらに向かってくる二人を見上げ、セラータは手を広げる。


『いいわ、二人まとめて食べてあげる!』


それと同時に彼女の影が広がり、無数の針が二人目がけて放たれる。


「おっ、と!」

「危ね!」


即座に足元に魔法陣を形成し移動した二人は、両側からセラータに向かってリベリオンを振り下ろす。セラータは影を刃のように変化させ、二人の攻撃を受け止める。


『ふふ…私を捕まえられるかしら?』


不適な笑みを浮かべると、影に身を包み、セラータは姿を消す。


「…っ、どこ行った!?」

「!おい、後ろ!」

「!?」


髭の言葉に若がとっさに身をひくと、身体スレスレを刃となった影が飛んでいく。あと一歩遅かったら、あの刃に貫かれていただろう。


『あらあら、残念…』


セラータの声が響き、ふ、と気配が消える。辺りを見回し、うっとおしそうに若が舌打ちする。


「空中も移動できんのかよ…!」

「俺の時は部屋にある鏡で移動してたが…どういう仕組みだ?」


髭も思案するように首を傾げる。
と、その時、二人の頭の中に声が響いてきた。


(二人共、聞こえる!?)

「!リアラか?」

「みたいだな。どうした、リアラ?」

(よかった、聞こえてるんですね。二人同時は初めてだったから…。あ、声には出さないようにお願いします、相手にばれてしまうので)

(りょーかい)

(わかった。で、どうした?)


髭が問うと、リアラは話し始める。


(さっきの攻撃なんですけど、一瞬だけど、金縁の鏡が現れたんです。そこから影が伸びた後、影に包まれるように消えて…。たぶん、あの鏡を使って移動しているんだと思います)

(なるほどな。だから一瞬だけ、あいつの気配を感じたってことか)

(はい。空間を移動しているせいか、鏡が現れるまでは気配を感じることができません。だから、周りに意識を集中してください。鏡が現れるその一瞬で気配を感じとれれば、攻撃を避けられるはずです)

(なるほどな、わかった)

(うわ、オレそーいうの苦手だわ…)

(なら、ダンテは私がサポートするわ。来る直前に伝えるから、安全な場所に避けて。あと、その時、相手の気配を覚えて。そうしたら、気配を感じとれるようになるから)

(わかった、んじゃ頼んだぜ!)

(うん。あと、鏡は二つあるから、同時に攻撃が来る可能性もあるわ。油断しないでね)

(りょーかい!)

(わかった!)


リアラの言葉に頷き、二人はリベリオンを持ち直した。