▼ 5日目 17
ザシュッ
「…っ、は…!」
「…え…?」
一瞬のことだった。リアラの喉が黒いものによって貫かれる。何が起きたかわからないディーヴァは、飛び散った血飛沫とリアラの口から溢れる血にようやく現状を理解し、悲鳴を上げた。
「…っ、嫌ぁぁぁっ!!!」
『あははっ、隙だらけね!こんな簡単に当たるなんて!』
悪魔の嘲笑が辺りに響き渡る。と同時に、再び黒い触手がディーヴァを絡め取り、リアラから引き剥がす。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんっ!」
『大丈夫よ、半魔なんだからこれくらいで死にはしないわ』
ディーヴァを自分の元に引き寄せると、悪魔はディーヴァの頬に手を添える。
『ふふ、かわいいわねぇ…。それに、とってもおいしそう』
「…っ…」
恐怖にぎゅっ、と目を瞑るディーヴァ。その様子を見ていた男が口を開いた。
「セラータ、捕まえるのはいいけど、あんまり傷つけないでほしいな。きれいなままでコレクションしたいんだから」
『すぐ治るんだから大丈夫よ。ああ、触りたいんなら、今の内に触りなさい。すぐに魂獲っちゃうからね』
「はいはい」
肩を竦めると、男はリアラに近づく。男はリアラの目の前で足を止めると、リアラの頬にそっと手を添える。
「へえ、他の人に比べて少し体温が低いんだね。…それにしても、きれいな肌だ」
「…っ」
無遠慮に身体を触られ、嫌悪感にリアラは眉間に皺を寄せる。
恍惚とした表情で、男は続ける。