コラボ小説 | ナノ
 5日目 13

「よし、こんな感じかな」


床の雑巾がけを終え、リアラは辺りを見回す。リビングは隅から隅までピカピカで、埃一つない。
リアラは満足そうに頷く。


「よし、掃除は終わり。そろそろ学校も終わるだろうし、ディーヴァちゃんのためにお菓子でも作ろうかな」


チラリと壁の時計を確認し、リアラが掃除用具を仕舞おうとバケツを持ち上げた時だった。

ガシャァァン!!!

突然ガラスの割れる音が響き、驚いたリアラは顔を上げる。視線の先には割れた窓ガラスと、投げ込まれたのであろう、何かを包んだ紙。


「こんなことをするなんて、いたずらが過ぎるわね…」


ため息を吐き、リアラは窓に近づく。屈んで紙を拾いあげ、中に入っているであろう石を取り出そうと紙を広げた時だった。


(?何か、書いてある…?)


よく見ると、何か文字のようなものが書いてある。見やすいようにと引っ張って伸ばしてみると、それは文章のようだった。リアラは書かれた文字を目で追っていく。


「…っ!!」


読み進めるにつれ、リアラの表情が変わる。最後にはグシャリと紙を握り潰し、何かを耐えるように俯く。


「ディーヴァちゃん…」


絞り出すように呟いた声が、静かな部屋に溶けて消えた。