コラボ小説 | ナノ
 5日目 11

「じゃあね、ディーヴァ」

「うん、また明日ね!」


校門の前で友人であるサラに手を振ると、ディーヴァは歩き出す。その足取りは軽く、スキップまでしそうな勢いだ。


「こんなに早く終わるとは思ってなかったけど、せっかく早く帰れるんだもん、三人で出かけようっと!」


そう、今日は当初の予定より2時間程早く終わった。なぜかというと、昼過ぎに学校に電気を供給している機械が謎の故障を起こし、すぐには直せそうになかったため、午後の授業が短縮されたからだ。


「今日はどこに行こうかなあ、あ、スイーツ食べに行くとか…」


歩きつつ、ディーヴァがどこへ行こうか考えていると、ふいに後ろから声をかけられた。


「あの、すみません」

「はい?」


ディーヴァが後ろを振り返ると、そこには金髪の男性がいた。
男性は困っているのか、遠慮がちにディーヴァに話しかける。


「このお店に行きたいんですけど、この辺りはあまり来ないのでよくわからなくて…。よければ、道を教えて頂けませんか?」


地図を手に丁寧な物腰で尋ねてくる男性に、ディーヴァは快く頷く。


「わかりました、えーっと…」


男性の持つ地図を覗き込み、店までの道順を確認したディーヴァは振り返る。


「えっとですね、この道を…」


そう言って向こう側を指差した次の瞬間、突然、口元に白い布を当てられた。


「んんっ!?」

「ごめんね、こうしないと半魔の子を捕まえられなくてさぁ…。一緒に来てくれる?」


ふうっ、と意識が遠ざかる。意識が途切れる直前、ディーヴァは事務所で自分の帰りを待つ二人を思い浮かべる。


(ダンテ…リアラお姉ちゃん…)


そのまま、ディーヴァの意識は途切れた。