▼ 5日目 10
「ね、ダンテ。私この世界に来てね、一つ気づいたことがあるの」
「なんだ?」
ダンテがたずねると、リアラは笑顔で答える。
「世界が違っても、『ダンテ』の優しさは変わらないんだなあ、って。魂も、とっても優しい色をしているもの」
だからね、とリアラは続ける。
「その優しさも含め、ダンテの気持ちはちゃんとディーヴァちゃんに伝わっているから。だから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
リアラの言葉にダンテは目を見開くと、フッ、と笑みを零す。
「…そっか」
「うん」
頷くと、二人は自分のカップに口をつける。
穏やかな空気が、二人を包み込んでいた。