▼ 5日目 2
翌朝、リアラはキッチンで朝食の準備をしていた。
「ふわぁ…」
時々出るあくびを噛み殺しながら、リアラは調理を進める。昨日は結局あまり眠ることができず、ちょっと寝不足なのだ。
サラダを添えた皿にできたばかりのオムレツを盛りつけていると、トントンと階段を降りる音が響き、ディーヴァが姿を現した。
「ふわぁ…おはよ」
「あ、お、おはよう…!」
ディーヴァに声をかけられた瞬間、昨日見てしまった二人のキスシーンが脳裏に蘇り、リアラはぎこちない返事を返す。
「どうしたのリアラお姉ちゃん、そんなに慌てて…」
「あ、う、ううん、何でもない!昨日はよく眠れた?」
「うん。ごめんね、気遣ってもらっちゃって…」
「ううん、いいの。ダンテもディーヴァちゃんと一緒に寝たかっただろうし」
リアラはふるふると首を振る。
昨日は二人に気を遣い、リアラはディーヴァのベッドを借りて一人で寝た。というよりも、寝つけなくて迷惑をかけてしまいそうだったからだ。
「ダンテは?」
「起きてるよ。もう少しで下りてくると思うけど…」
ディーヴァが言ったその時、階段を下りる音が響き、ダンテが姿を現した。