コラボ小説 | ナノ
 4日目 59

だが、ダンテの次の言葉でディーヴァは動きを止めた。


「させてくれないなら、もう了解なんてとらねえ。勝手に奪わせてもらうぜ」

「え…」


ゆっくりと近づいてくるダンテの顔。
ディーヴァはイヤイヤと顔を背けて逃れようとした。
…結構強情である。


「逃げんな」


だがそもそも、逃げ場はない。
なぜならばダンテの手に顎をつかまれたままだからだ。
元来は我慢のきかぬダンテ。
リアラの手前、ダンテは色々と大爆発寸前のギリギリラインだったのである。


「ダンテ待っ…!んっ……!!」


言葉通り、無理矢理奪うように唇を重ねる。
朝や出掛ける前の触れるだけの優しいキスとは違う、噛みつくような激しいキス。
顔を背けることも、目を逸らすこともできないため、ダンテのキスを回避できない。
ひたすらダンテが満足するのを待ち、受け入れ続けるしかない。
確かにダンテはいっぱいいっぱいだったのかもしれないとは思う。
与えられるキスでなく、奪われるキスなのが何よりの証拠…。
そしてディーヴァの折れてしまいそうな細腰をつかみ、強くしっかり引き寄せるダンテ。
ディーヴァは背の関係上、背伸びをしているような状態。
足をぷるぷると小刻みに震わせながら、ダンテのキスを受け入れていた。
それに気がついたダンテは一度唇を離した。


「はぁはぁ、お…おわったの…?」

「いーや、まだ満足してない。もっとだ、もっと…」

「…んんん……っ」


顎にやっていた手を離し、両手でしっかり腰を抱きなおすと、またキスを再開する。
くらくらするほどのキスの連続に吐息が漏れる。
それと共にディーヴァの口は薄く開き、赤い舌が見え隠れした。
次第にその抵抗は弱まり、目は物欲しそうに潤み始めている。
それを確認したダンテは、わずかに口角を上げた。
これがディーヴァのオーケーサインだ。
口から覗く舌は虫を誘う花のよう。
待ち焦がれたその花の開花とともにダンテも舌を伸ばした。