▼ 4日目 56
聞いていた本人…ディーヴァも幸せそうだ。
「はぁ〜…悪魔に追われていたフィーリアさんを颯爽と助けるゼクスさん…。そして2人は逢瀬を重ねるごとに確かな愛を育んでいく…なんかロマンチックだよね〜」
「そうだね、私も聞いた時はドキドキしちゃった」
うっとりとどこか別世界に熱視線を送るリアラとディーヴァ。
ちなみにゼクスとフィーリアの出会いについてのお話は、サイト『雪の雫』の過去拍手にてお読みいただけます。
気になった方は、ぜひそちらに足をお運びください。
半ばうんざりと言った表情で、頬杖をついて言うダンテ。
「女ってこういう話好きだよな。そういうとこが、オレ達男にとって女のよくわかんない部分だよ」
「「愛とロマンの追求者、それが女だからね」」
「あ、そ」
ディーヴァはたまにこういうことを言うからわかるが、リアラまでとは…。
ディーヴァと一緒にいるうちに、彼女の変なところがリアラにうつってしまったのかもしれない。
…2人ともかわいいからいいけど。
ダンテはディーヴァの頬を指でつんつん突きながら続けた。
「こいつ、オレの母親と父親の話の時もおんなじようなこと聞いてきたんだぜ」
「だって違う種族同士が恋して結ばれて…。そこにいったいどんなドラマが!?そういうのってすごく気になるでしょ」
「そうだね。私も気になるなあ…どんなだったの?」
今度はリアラが目を輝かせる番だ。
ダンテは苦笑しながらリアラの頭を数回撫でた。
「お袋と親父が出会った経緯とか、どんな恋愛したかなんて知らねーよ、悪いな。それに男のオレが嬉々として聞いてたら変だろ」
「ダンテったら、ロマンの欠片もないんだから…」
その様子を見ながら、ディーヴァは深くため息を吐いた。