コラボ小説 | ナノ
 4日目 37

チーン!
その時、キッチンの方からオーブンレンジの止まる音が聞こえて来た。


「あ、焼けたみたい」

「何を作ったんだ?」

「ん、なんか甘くて香ばしい匂いがするね…」

「ふふ、ちょっと取って来るね」


るんるん気分で、立ち上がりキッチンへとそのブツを取りに行くディーヴァ。
そして戻ってきたディーヴァが運んできたものは…。


「2人にはストロベリーサンデー、あたしにはアップルパイ!」


ほかほかと湯気が立ち上り、ぷっくりふくれた狐色のアップルパイがテーブルに置かれた。
うーん、おいしそうな香りが部屋いっぱいに漂う!


「いただきまーす!…うん、おぃひぃ!」


サクサクッ!
添えられたバニラアイスとサクサクのパイ生地…絶対美味しい。
ストロベリーサンデーも美味しいが、焼きたてのアップルパイ…食い意地が張っているわけではないのに、そちらも食べてみたくなる。
隣の花は赤い、とはこのことか。


「それも美味しそうだね」

「半分あげる」

「え、いいの?」

「もちろん」


ナイフで豪快に半分にぶった切ったアップルパイを、ディーヴァはリアラ側に寄せる。
リアラは嬉しそうに笑って礼を述べ、ストロベリーサンデーと共に食べ始めた。
そして、文句がありそうなのも…やはりダンテである。


「ずりぃ!オレにも!!」

「だーめ、あたしのぶんなくなるじゃん。ダンテの分はないでーす」

「ケチだなお前…」

「いつもあげてるんだからいいでしょ」


ディーヴァのアップルパイを奪おうと手を伸ばすダンテ。
ダンテに取られないようにと皿を遠くに片すディーヴァ。
その様子を見てリアラは楽しそうにクスクス笑う。
こうしてストロベリーサンデーは、最後のひと匙まで冷え冷えで美味しく食べられたのだった。