コラボ小説 | ナノ
 4日目 34

「あ、ダンテ!見て見て!!すごい!すごいの!!」


興奮さめやらぬ様子でディーヴァがリアラとダンテの周りを行ったり来たりする。
ダンテは苦笑と共に、その肩に手をおいて動きを止めさせた。


「まあまあ落ち着けディーヴァ。で、何がすごいんだ?」

「割れたグラスの代わりにね、私が魔力でこのグラスを作ったの」


手の上に鎮座する氷で出来たそれを、ダンテに見せる。
ダンテは感嘆のため息と共に360度まじまじと眺めた。


「へえ…よく出来てら。すごいなリアラ、魔力のコントロール力抜群じゃねぇか」


魔力のコントロールが少しでもずれればここまで精巧にできない。
ということは、リアラはかなりの魔力センスを持っていることになる。


「そう、なのかな…。確かに同じことをダンテさんにも言われたけど」

「うんうん、すごいよー!あたしも悪魔になったら同じようなこと出来るようになるかな?」

「努力次第で出来ると思う…けど。天使のディーヴァちゃんが悪魔に……?うーん…」

「ディーヴァは今のまま!天使のままがいい!!」


天使から悪魔にジョブチェンジなんて、認めません!
そうダンテの厳しい声が上がったところで、リアラがコホン、と咳払いひとつ。


「ま、まあ…とにかく!溶けないようにしてあるけど、早く使いましょう!」


あまりにも褒め称えられたせいか、恥ずかしくなってきてしまったのだ。
その頬はほんのりと朱に染まっている。


「そうだね!せっかくのホイップクリームが温まっちゃう」

「ああ、ディーヴァのストサンが早く食べたくてしょうがないしな!」


ディーヴァに氷のグラスを渡したリアラは、ホッと一息ついてようやく事務所の方へ向かうのだった。