コラボ小説 | ナノ
 4日目 31

しかし、ダンテもリアラもケロリとしている。
回復が早いのもまた、半魔である。


「怪我はないぜ。なあ、リアラ」

「うん。無意識で手加減してたみたい」

「無意識で手加減ねぇ…そう言うわりにリアラの踵落とし、かな〜り痛かったけどな」


リアラの顔を覗き込んでとがめるような視線のダンテが言う。
確かにあの踵落としは痛いだろう。
普通の人間だったら頭が陥没して死んでいた。


「う、ごめん…」


しゅんと項垂れて謝るリアラに、ダンテはカラカラ笑う。
ただ、からかっていたようである。


「はははっ!まったく気にしてないよ!…つーか、やっぱりリアラもあの血の香りには抗えなかったな」

「あんなに惹かれるものだなんて知らなかったよ。ダンテもディーヴァちゃんも大変だね…」

「ある程度慣れたけどな?」

「ねー?」


襲い来るディーヴァの血の誘惑につねに抗わなくてはいけないダンテと、悪魔だけではなく愛するダンテにすら狙われる対象のディーヴァ。
いくら好きあっているから平気といえども、ともにいるのは大変なことだろう。
リアラはこれから先の2人の辿る運命を案じた。
…と、ダンテが思い出したようにディーヴァに向き直る。


「で、破片は?」

「あ、そうそうダンテ。悪いけどこれ以上怪我したくないから拾ってくれる?」

「りょーかい」


ディーヴァの血をこれ以上見るわけにも、リアラに見せるわけにもいかない。
ダンテは散らばった破片の後片付けのため、掃除用具を取りに行った。