コラボ小説 | ナノ
 Will you marry me? 7

「…ねこちゃん、これはどういうこと?」

「まあまあ、そんなに機嫌悪くしないで」


ぶすっとした顔をする雪菜を、たまごねこは宥める。
三十分後、スタッフに連れられ、ウェディングドレスを着た雪菜は教会に戻ってきていた。
雪菜は白いウェディングドレスを着ていた。マーメイドドレスと呼ばれる、膝上は身体のラインに沿った、膝下は少し広がったドレスだ。右の膝から斜めに大きなスリットが入っており、裾に黒いレースがあしらわれている。袖は上の部分が少し膨らんでおり、袖は少し広がった形だ。胸の下には細い黒いリボンが結われている。
コンタクトをした目で雪菜はたまごねこを睨む。


「…ねこちゃん、遊び半分でやってるなら許さないよ?」

「そんなことないよ!これはつなちゃんのためなんだから!」

「…私の、ため?」

「そうだぞ、せっかくきれいにしたんだから、そんな顔してたら台無しだぞ」


ふいに上から声がかかり、驚いて雪菜は上を見上げる。雪菜が見上げた先には、にっこりと笑みを浮かべる髭がいた。
髭は白いワイシャツに黒いタキシードを着ていた。首にはグレーのスカーフが巻かれている。


「え、おじさん!?ま、まさか…」

「そのまさか、だ」


ニヤリと笑うと、髭は雪菜を抱き上げる。突然抱き上げられ、雪菜は思わず彼の首に腕を回す。


「お、おじさん!?」

「ここでくらいは『ダンテ』って言っとけ」


雪菜を見て呟くと、髭は雪菜を抱いたまま撮影場所へと足を進める。そしてくるりと回ってカメラに向かって正面に立つ。


「さて、と。イイ感じに撮ってくれよ?」


髭の言葉に、呆気に取られていたスタッフ達が我に返り、すぐに撮影を始める。
髭が雪菜の耳元で囁く。


「ほら、ちゃんとこっち見とけ。じゃねぇと仕事にならねえぞ?」

「〜っ!!」


そう言われてしまってはやるしかない。
恥ずかしさを必死に抑えながら、雪菜は顔を上げる。
その後、撮影は順調に進み、無事雪菜達は仕事を終えることができたのだった。