コラボ小説 | ナノ
 4日目 21

その後を追って出た若。
ちょっと先を歩くディーヴァを呼び止め肩をぐっと掴んで振り向かせる。


「ディーヴァ。忘れもんだぜ」

「へ?何か忘れたっけ?」


ディーヴァに近づく若の顔。
その唇と唇が優しく重なり、2人の影も重なった。


「…んっ!?」


唇は一瞬で離れたが、ここは一応公衆の面前。
いくらスラム近くとはいえ、通勤や通学の時間には人々の往来も多い。
周りに見られてしまい、恥ずかしさにディーヴァの顔は真っ赤だった。


「いってらっしゃいのキス、な」

「…ばか。恥ずかしいからこんなとこでやめてよ」

「リアラに見られるよりいいと思ってな。だから出て来たんだぜ?」

「もうっ!!早くリアラお姉ちゃんのとこに戻ってあげて!!」

「はいはい」


ディーヴァの鼻の頭にもう一度だけ小さくキスを贈ると、若は笑って戻っていった。