コラボ小説 | ナノ
 4日目 19

「その嬢ちゃんも『俺』も、苦労してんのな。大切にしてやれよ?」

「言われなくたって当たり前だぜ」

「……いいか、これから先、節目節目に重要な選択をしなければならない時が必ず来る。選択は誤るなよ。ない頭でゆっくりじっくり考えて答えを出すんだな」


ひどく真面目な顔で言い聞かせてくる髭に、若も素直に聞いた。


「よくわかんねーけどわかった。つーか自分にない頭って…」

「ふふっ、ディーヴァちゃんがついてるから大丈夫だと思いますよ?あの子、けっこうしっかりしてるみたいですから」

「だったら安心だ。俺と違って若い内から良いのと出会えてよかったな」

「ああ、そうだな。まったくディーヴァ様々だぜ!」


そう言って3人で笑い合う。
本人のいぬところで、本人についての話が進み、そろそろ階下へ降りる予定のディーヴァはくしゃみをしていた。


『っくち!……あれ?風邪かなぁ…?』


ちら、と髭がリアラの自室の時計を確認する。


「おっと、ゼクスとの約束があるんだった。それじゃ、また日暮れにここで」

「はい、またあとで」

「おー。またな、オッサンなオレ」

「だからオッサンじゃねーっての…」


その言葉のあと、鏡は元通りのただの鏡として、若とリアラを映すのみになった。