コラボ小説 | ナノ
 4日目 17

「ア、アホ面って…。ってか、え…?リアラ、もしかして…これがお前の世界のオレ!?」

「そう。私の世界の『ダンテ』だよ。私は朝に一度会ったけどね。ダンテさん、こっちがこの世界の『ダンテ』です」

「よう、『俺』」


軽く手をあげて若に挨拶してくる髭。
若はまじまじと上から下まで順繰りに見てみた。
今の自分よりも均等に筋肉が付いていて、なんだか自分がひどく貧相に見えてきてしまう。
…うらやましい。


「……オレよりがっしりしてんな、オッサン」

「自分だろ、オッサンとか言うなって。まるでぼうやに言われてるみたいじゃないか」

「ぼうや?」

「ああ、こっちの話だ」


ネロの話はしない方がよさそうだ。
どんなきっかけで出会うかわからないし、未来は教えないでいた方が楽しい。
髭は口をつぐんだ。


「…あの、ダンテさん」


お互いダンテ同士の邂逅はすんだ。
残りはもう1人。
彼女についても説明したほうがいいかもしれない。


「ん?リアラ、なんだ?」

「まだ説明してなかったんですけど、こっちにはまだもう1人女の子がいるんです」

「そっちの『リアラ』ってことか?」

「いいえ。残念ながら私はこの世界に存在していません」

「そうなのか、ちょっとさびしいな…」


そう思っていてくれて嬉しい。
至極寂しそうな表情を浮かべる髭に、リアラは苦笑して感謝を伝えた。