コラボ小説 | ナノ
 4日目 16

鏡の前でディーヴァを待つダンテ。


「ん、んんん?」


ちらっと見ると、鏡の中の自分と目があった。
その目元には生きた年数に見合う皺と、あごにうっすら生えた髭…。
今よりも歳を重ねた自分がこちらを覗きこんでいたのである。


「でええええ!!?」


驚いたダンテは、後ろに飛びのきながら叫ぶ。
そしてその叫びに、『ハイスピード』という素早い動きが可能になる技を使ってリアラが戻ってきた。


「ダンテ!どうし…あ、ダンテさん!確か、次は夕方の約束じゃなかったですか?」


そこに映る愛しい人に、笑顔を浮かべる。
こちらの世界のダンテは、リアラと鏡の中のダンテを目を点にして交互に見た。


「確かにそうだが、なんの気なしに覗いてみたんだ。そしたら若い俺がアホ面さらしててな」

「そうだったんですか」


にこにことお互い笑い合う。
ちなみにこれより以降は、便宜上リアラの世界のダンテを、髭を生やしたダンテということで『髭』、ディーヴァの世界のダンテを若いからという理由で『若』と呼ばせていただくことをここに記す。