コラボ小説 | ナノ
 Will you marry me? 5

さらに一週間後、依頼先のホテルにて。
雪菜はリアラと一緒にホテルの一室で撮影の準備をしていた。ウェディングドレスに着替え終わったリアラを見て、雪菜は感嘆の声を漏らす。


「リアラ、きれい…」

「ありがとう、雪菜」


少し照れたように返すリアラ。
リアラは淡い水色のウェディングドレスを着ていた。袖のないタイプで、胸元には胸のラインに沿うように蔦の刺繍が施されており、ところどころに青いラインストーンがついている。裾部分にも同じ刺繍が施されており、中から青いレースの裾が覗いている。腰には青いレースが巻かれ、結び目部分には同じ素材の薔薇のコサージュがついている。


「何か、普段しない格好だと落ち着かないな…」


高い位置に団子にまとめられた髪を触りながら、リアラは呟く。とても心細そうだ。
雪菜は屈むと、リアラに優しく微笑みかける。


「大丈夫。いつも通りにやればいいから。私が傍にいるから」

「うん。ありがとう、雪菜」


雪菜の言葉に、リアラがようやく微笑んだ時、部屋の扉が開いた。


「準備できたか?リアラ」


姿を現したのは若だった。白いワイシャツに、髪より濃いグレーのタキシードを着ている。首には蝶ネクタイをしている。


「お、若。いいねー、似合うじゃん」

「本当、よく似合ってる」

「お、おう。ありがとな」


いつもなら嬉しそうに答える若が、今日は照れたように頬を掻いている。
首を傾げた雪菜だが、すぐに理由がわかり、ニヤニヤと笑みを浮かべる。


「はっはーん…リアラがきれいすぎて直視できないってか」

「う、うるせえ!」

「ふふっ…ありがとう、若」

「お、おう…」

「みなさん、撮影の準備ができたので教会に移動お願いします」

「はーい、わかりました!じゃあ行こうか、リアラ、若」

「うん」

「お、おう」


途中で来た撮影スタッフに促され、雪菜達は移動を始めた。
先に行く雪菜に気づかれないように、リアラと若は視線を合わせ、頷いた。