▼ 4日目 3
ゴツン!
小気味いい音が響いた。
「っつ〜〜〜!!」
勢い余ったダンテの額がリアラの部屋の鏡にぶつかった音だ。
ぶつかった箇所がほんのりと赤く染まっている。
「だ、大丈夫ですか!?」
鏡に手をついて向こう側で唸るダンテを心配するリアラだが、これがもしディーヴァだったとしたらダンテより鏡の方を心配しそうな光景。
「ああ、大丈夫だよ。はは、恥ずかしいとこを見られちまったな」
一瞬ののちには、元通り治った額を髪をかきあげて見せたダンテ。
それを見て、2人はクスクスと笑いあった。
ひとしきり笑いあった後、ダンテは真面目な顔で本題に入る。
「何があったのかは、ネロからある程度聞いた。今はそのことでフォルトゥナに来てるんだが、リアラの魔力を感じてな…こうして飛び込んできたわけだが…」
鏡越しの会話。
鏡の中に映るリアラをまじまじと観察し、続けるダンテ。
「リアラ、お前はいったいどこにいるんだ。遠い場所なのか?言ってくれればどんなに遠い場所でもすぐ迎えに行く」
「あ…えっと、それが……」
困ったように苦笑して、リアラは今どこにいるのか、何があったのかを説明し始めた。