コラボ小説 | ナノ
 4日目 1

こちらの世界に来て4日目の朝方。
誰よりも早く目を覚ましたリアラは、傍らで気持ちよさげに眠るディーヴァや違う部屋で寝ているであろうダンテを起こさぬよう気配を消し、階下へと向かった。
目指すは昨日の悪魔が落とした銀枠の鏡。
微弱とはいえ、しっかりと魔力を放つそれが気になってしかたがない。
思うのだ。
自分が帰る方法があるとすれば、十中八九あの鏡がキーアイテムだろう、と。
姿見とまではいかなくとも、上半身がすべて映り込むくらいの大きさの鏡。
どこかに変わったところはないか、おかしなところがないかと、目を皿のようにして調べ上げていくリアラ。


「………」


鏡に映る自分は、昨夜同様、どこか悲しそうだ。
リアラは冷たい鏡の表面にそっと触れると、自分の一番大切な人を想った。


「ダンテさんに会いたい…」


その思いは伝わる。
魔力によって、その思いの強さによって。
互いが同じことを同じ時に、大切に思い合うその気持ちの強さ…
共鳴し、響き合う、想い。


「ダンテさん…」


…ぽろり。

涙がひとしずく零れ落ちた瞬間の事だ。
どこかで見た事のある部屋を鏡が鮮明に映し出した。


「え、ここって…」