コラボ小説 | ナノ
 3日目 18

夜も更け、人々が寝静まった頃。リアラは事務所の屋根に登り、空を見上げていた。キラキラと輝く星を見つめ、リアラは思う。


(夜空は、あっちと変わらないな)


くすりと笑みを溢すと、リアラは元の世界にいるダンテの姿を思い浮かべる。


(今ごろ、心配してるだろうな…)


本来なら、あの日の翌日にはフォルトゥナを出発して、帰路につくはずだった。仕事を終えたと連絡して、今からフォルトゥナを出発すると言って。
それ以前に、一緒に仕事をしていたネロも、帰りを待ってくれているキリエも心配しているだろう。そう思うと胸が苦しく、ここの生活を楽しんでいいのかわからない。
静かに、リアラは口を開いた。


「…〜、〜♪〜、〜♪…」


頭に浮かんだのは、自分の母とダンテの母が一緒に歌詞を考えた子守唄。今のダンテとの繋がりは、この唄くらいで。届くわけがないとは知りながらも、この想いが届いてほしいと願って。
リアラが歌っていると、ふいに後ろから声がかかった。