コラボ小説 | ナノ
 3日目 14

『…っ、厄介な能力(ちから)ね!』


舌打ちする悪魔に、リアラは魔力で作った無数の氷柱を悪魔に向けて放つ。それを触手で叩き落とした悪魔は、知らない内に距離を詰めていたリアラを目の前にして息を飲む。


「凍れ」


言うと同時にリアラは悪魔の胸元に手を置き、魔力を放つ。リアラの手を中心にしてビキビキと音を立てて悪魔の身体が凍っていく。


『…っ!』


もう少しで全身が凍りつくという時、悪魔は力を振り絞り、自らの影を布のようにして腕に纏わせ、リアラに向かって振り上げた。リアラは急いで距離を取るが、避けきれずに頬に切り傷を負う。
やっとのことで体勢を立て直した悪魔は憎々しげに呟く。


『私としたことが、こんな女に遅れを取るなんて…っ!』


ギリリと唇を噛みしめると、悪魔は足元の影に手を伸ばす。すると、影の中から銀の枠で縁取られた鏡が現れた。
鏡を空中に浮かべ、悪魔は言う。


『今日はこれでひいてあげるわ…けど、次に会った時は、後ろの二人ごと喰らってやる…!』


そう言うと同時に、悪魔の姿が影に包まれ、鏡に吸い込まれていく。逃がすまいとリアラが手を伸ばす。


「待て…っ!」


だが、あともう少しというところで悪魔は鏡の中へと姿を消してしまった。ゴトリと音を立て、鏡が地面に落ちる。
リアラはギリッと唇を噛みしめた。