コラボ小説 | ナノ
 3日目 9

「え、こ、これを履くの…?」

「うん♪」


ディーヴァから渡された物を見て、戸惑いながらリアラは尋ねる。
ディーヴァがよく来るという服屋は、レースやリボンをあしらった、ふわふわとしたかわいらしい服を売っている店だった。
入った瞬間から自分の好みとはかけ離れていることがわかり、リアラは大いに戸惑った。連れてきてもらって他のお店にしよう、なんて言えないし、ディーヴァは自分に似合う物を探すと意気込んでいるし。小さくため息をつき、リアラはディーヴァの後に続いた。
店の中を回りながら、ディーヴァはリアラに普段どんな服を着ているか聞いた。彼女によると、レースやリボンの付いた服はあまり着ないとのこと。どちらかといえばシンプルで、スカートは外出で履くくらい、室内ではショートパンツらしい。最近、悩んだ末に白いリボン付きのドルマンスリーブを買ったくらいだというから、自分の着るような服はほとんど着ないのだろう。
好みが正反対と言っていいほど違うことを知り、さすがに自分の服のようにコーディネートするわけにもいかないため、ディーヴァはリアラの意見も取り入れながら、なるべくシンプルな服を選んでいく。それでも女の子なのだから、かわいいものを、と考えて選んだのがリアラに渡したスカートというわけで。
ディーヴァがリアラに手渡したのは、淡いミント色のフレアスカートだった。膝上くらいの長さのそれは中に同色のレースが施されていて、裾からちらりと顔を覗かせている。
スカートとディーヴァを交互に見やり、リアラはおずおずと口を開く。


「こんなかわいいの、私には似合わないよ…」

「そんなことないよ!リアラお姉ちゃん元はいいんだし、髪色と似たような色だから違和感ないって!」

「そう、かな…」


リアラはチラリとディーヴァを見やる。
ディーヴァは、白い長袖のTシャツにパールのつけ襟を着けていた。膝まである桜色の切り替えフレアスカートにかわいらしい縁どりの白いソックスと黒のストラップ付の靴を合わせている。ふんわりとした色合いがよく似合っていて、とてもかわいらしかった。
ちなみにディーヴァの後ろでこちらの様子を見守っているダンテは、こげ茶のVネックカットソーにダーク系のスキニーを履いている。灰色のフードが付いたGジャンを羽織り、こげ茶のブーツを合わせていて、とてもよく似合っていた。
しかも、お互いに服を選んでいるというのだから驚きだ。二人共、センスがいいのだろう。それに比べて自分はあまりセンスがあるとは思えない。行く先々で服を見ることはあっても、あまり買うこともないし、着ることもなかったから。ダンテの事務所に住み始めてから、ようやくいろんな服を買うようになったくらいで。
ぐるぐると考え込むリアラの顔を、ディーヴァが覗き込む。