▼ 3日目 8
「わぁ、広いね…」
「でしょ?ここら辺で一番大きいショッピングモールなんだ」
感嘆の声を上げるリアラに、ディーヴァが説明する。
三人がやってきたのは、近くのショッピングモール。服や靴、食料品まで幅広く取り揃えているここは、ディーヴァとダンテがよく来る場所だ。
「まずは服かな。あたしがよく行くお店でいいかな?」
「うん」
頷くリアラを連れて、ディーヴァは服屋へ向かう。
歩きながら、ディーヴァはリアラに気になっていたことを尋ねる。
「そいえば、リアラお姉ちゃんは何歳?若く見えるよ」
「え、こいつ23だぞ」
「え゛!?」
ダンテの言葉に、ディーヴァは目を見開く。ダンテが敬語を使っていなかったから、てっきりダンテと同じか下くらいだと思っていたのだ。
「ほ、本当?」
「うん」
「うそ、ダンテより歳上じゃない!け、敬語…!」
あわわわ、と慌て出すディーヴァに思わず笑みを漏らし、リアラは告げる。
「気にしなくていいよ、さっきと同じように接して」
「で、でも…」
「私、そういうの気にしないから。それに、そのままで話してくれた方が嬉しいな」
そう言って微笑むリアラの横から、ダンテが会話に割って入る。
「そうそう、こいつもこう言ってるし、気にすんなって」
「ダンテはもうちょっと気にしてよ!もう…。じゃあ、お言葉に甘えて敬語はなしで話すね?」
「うん」
嬉しそうに頷くリアラの手を掴み、ディーヴァはかけ出す。
「じゃ、気を取り直して行こう!こっちだよ!」
「わ、ディーヴァ、オレを置いてくなよ!」
「反省させるために、年上への敬意のなってないダンテは置いていきまーす!行こ、リアラお姉ちゃん!」
「おい、待てって!」
楽しそうに笑うディーヴァに、慌てて追いかけてくるダンテ。
歳が近いゆえの和気あいあいとした雰囲気に、リアラは笑顔が絶えなかった。