コラボ小説 | ナノ
 3日目 7

あれからすぐ事務所に戻ってきたリアラとダンテは、二人で他愛もない話をしつつ、ディーヴァの帰りを待っていた。
リアラがキッチンで作業をしていると、ガチャリと音を立てて事務所の扉が開いた。


「ただいまー!」

「あ、お帰りなさい、ディーヴァちゃん」

「お帰り、ディーヴァ」


開いた扉から姿を見せたディーヴァを抱きしめ、彼女の額にキスをするダンテ。その様子を見て、リアラはくすりと笑みを溢す。
リアラはゆっくりとディーヴァに歩み寄る。


「学校、お疲れさま」

「ありがとう、リアラお姉ちゃん。今日は何してたの?」

「今日はダンテに街を案内してもらってたの。私の住む街とちょっとずつ違ってて面白かったわ」

「そっか、よかったね」

「ええ」


リアラが頷いたちょうどその時、キッチンからチーンと何かが終わった音が響く。キッチンを振り返りながら、リアラが言う。


「あ、ちょうどできたみたいね」

「ちょうど?何か作ってたの?」

「うん、見に来る?」


リアラの言葉に頷き、ディーヴァがキッチンに入ると、リアラがオーブンの扉をあける。
中から出てきたのは…


「うわぁ…!」


目の前の物に、ディーヴァは目を輝かせる。
オーブンから出てきたのは、ディーヴァの大好物であるプリンだった。できたばかりのそれは湯気を上げていて、型から見える表面は滑らかでおいしそうだ。


「うん、ちゃんとできてる」


プリンが固まっているか確認し、リアラはそれをオーブンの中に戻す。


「まだ熱いから、しばらくこのままにしておくね。晩ご飯を作る時に冷蔵庫に入れておけば、食べる時にはちょうどよく冷えてると思うよ」

「すっごくおいしそう!ありがとう、リアラお姉ちゃん!」

「ふふ、昨日はディーヴァちゃんにごちそう作ってもらったからね、今日は私がディーヴァちゃんの好きな物作ってあげるね」

「うん!」


頷くと、ディーヴァはリアラの両手を掴んで言う。


「じゃあ、今から材料の買い出しに行くついでに服買いに行こう!昨日から話してたことだし!」

「それは嬉しいけれど…私、お金持ってないよ?」

「大丈夫、それくらいのお金はあるから!それに、リアラお姉ちゃんもその格好じゃ出かけ辛いでしょ?」


確かに、ディーヴァの言うことも最もだ。リアラは頷く。


「…うん、そうだね。じゃあ、お言葉に甘えようかな」

「決まりだね!じゃああたし、急いで着替えてくる!あ、ダンテも着替えてきてよ?」

「はいはい」


後ろで様子を見守っていたダンテに声をかけ、ディーヴァは2階へと上がっていく。後に続いて階段を上がっていくダンテを見送り、リアラは微笑んだ。