▼ 3日目 6
ディーヴァの通う学校に着いた二人は、半魔ゆえの身体能力で軽々と校門を飛び越え、あっという間に屋上へとやってきた。
「さてと。ディーヴァはどこだ?」
縁に座り、キョロキョロと辺りを見回すダンテにディーヴァの気配を辿っていたリアラはある場所を指差す。
「あそこじゃない?」
「ん?…お、本当だ」
リアラの指差す先を辿ると、そこに見慣れた姿を見つけた。ディーヴァだ。二人は人に見つからないように屋上から飛び降り、彼女のいる場所に近づくと、窓からそっと覗き込む。
ディーヴァのいた場所は学校の中で一番広い部屋ー体育館だった。授業中なのだろう、ディーヴァ以外の生徒もいる。皆一様に同じ衣装を着ていて、両手にポンポンを持っているのから考えるに、チアの練習といったところか。
世間に疎いリアラはチアについてあまりわからなかったが、テレビで何度か見たことがある。確か、スポーツの試合で応援団として出てくる女性のみのチームだ。
学校にもあるんだなぁ、そんなことを思っているリアラの横で、ダンテは興奮ぎみに話す。
「いやー、いいタイミングで来たぜ!飛び散る汗、動きに合わせて揺れる胸、時々シャツから覗く肌!たまんねぇな!」
手をワキワキとさせ、鼻息荒く語るダンテに、リアラは少し後ずさる。
いや、確かに、説明としては間違っていないのだけど。
(男の人って、みんなこうなの…?)
リアラは悩みながら、自分の世界のダンテを思い浮かべてみる。
時々だけど、大人の男性が読むような雑誌は読んでいる。けど、自分としては男の人ってこうなんだろうな、と思っているので、あまり気にしたことはなかった。時々バーで見かける男達のようにあからさまに言うわけでもなかったし。
(ディーヴァちゃんの将来が心配だわ…)
時々変な雄叫びをあげるダンテを必死に止めながら、ダンテに何か変なことでもされるのではないかと、ディーヴァのこれからが心配になったリアラであった。