▼ 2日目 14
時間は飛んで、夕食の時間。
それまではひたすらお互いの話をしたり、ダンテをからかって遊んだ。
あわれ、ダンテ。
「リアラお姉ちゃんって好きな物や嫌いな物ってあります?」
ピンクフリルのエプロンを着たディーヴァが、お玉片手に聞いてくる。
「うーん、嫌いな物はべちゃべちゃした物くらい…バナナとか。好きな物はソーダ系のものとか、ショートケーキ、ミルクレープ、ナッツ、…あと苺かな」
リアラは指折り暗唱していく。
「苺…ダンテと同じなんですね。わかりました!」
シャキ!敬礼するように手をかまえ、冷蔵庫へ食材を選びに向かうディーヴァ。
リアラは冷蔵庫に顔をつっこむその背に声をかけた。
「ディーヴァちゃん、私に敬語使わなくていいよ」
「え、そうなんですか?…じゃなかった、そうなの?なら遠慮なく!」
さっそく敬語をやめて話す。
リアラはリビングのテーブルに頬杖をつき、申し出た。
「ねえ、私も夕食の支度手伝おうか?」
「うん。…といいたいところだけど、リアラお姉ちゃんは疲れてるんだし今日はあたしがごちそう作るよ。そのかわり、ダンテとゆっくりお話ししててくれる?」
こそっ
意外と耳のよいダンテに聞かれぬよう、リアラに耳打ちする。
「それに、ダンテったらいつも邪魔してくるから、その足止めをお願いしたいの」
「ふふ、わかったわ」
夕飯の席には、ディーヴァの言った通り、豪華なごちそうが並んだ。
そして特に力が入っているデザート。
そこにはリアラが言ったものが全て並んでいる。
「うわあ…!ありがとう、ディーヴァちゃん!」
リアラは嬉しさにキラキラ目を輝かせ、ディーヴァに抱きつくのだった。