コラボ小説 | ナノ
 2日目 13

リアラは紅茶に映る自分の顔を見つめながら、過去に思いをはせる。


「私がデビルハンターになったきっかけは悪魔に母を殺されたからなの。その仇を見つけるため、多くの依頼をこなしてきたのだけれど…」


悲しげに言うリアラ。


「その過程で悪魔と変わらない…いいえ、悪魔よりもひどい人間達をたくさんみてきたわ。半分は人間の血をひいているのに、悪魔の立場で見てしまうことが多々あったの」

「悪魔側の立場?」


復唱して聞いてくるダンテに、リアラはゆっくり頷き、続ける。


「どうして人間同士で殺し合ったり、騙し合ったり…ひどいことができるの?どうして人間はこうなんだろう?…って」


ダンテは何も言わずそれを聞いているが、その表情はリアラと同じ色がみてとれた。
同じようなことを思ったことがあるのかもしれない。


「それだけじゃない。もう半年も前かな…ある教団に捕まっててね、実験材料にされてたの。人からの酷い扱いを受けて、私は人間が苦手になった」


実験材料とは、ぞっとする。
ディーヴァももしかしたらその運命を辿っていたかもしれないのだから。
死ぬ寸前まで追い詰められたこと。
リアラの世界のダンテに助けられたこと。
彼を追って旅する決意をしたこと。
そして今にいたると、リアラは話した。


「そんなことがあったんですか…」


心痛めて聞いていたディーヴァ。
その頭をダンテは静かに撫でている。
ここのダンテと彼女は相思相愛、恋人関係なのね。
ダンテの態度から、視線からすぐわかった。


「あ。人間は苦手だけど、さっき言った通り、ディーヴァちゃんのことは嫌いじゃないからね?もちろんダンテはいわずもがな」

「よかったぁ…。これからよろしくお願いします」

「こちらこそ。帰るまでの間、仲良くしてね?」

「はい!…じゃあ、ここにいる間はお姉ちゃんって、呼んでもいいですか?」


上目使いでそう言われ、リアラはきゅんとした。


「うん、いいよ」

「だったらオレもディーヴァからお兄ちゃんって呼ばれてみたい」

「わーい、やったー!!あ、ダンテはダメ」

「なんでだっ!!」


ダンテとディーヴァがじゃれあうのを見るリアラ。
妹はいないのだが、なんだか妹が出来た気分で嬉しくなった。