▼ 2日目 10
「えっと…、さっきの狼、さん?」
「それが本来の姿、なんだよな?」
「ええ、そうよ」
ダンテとディーヴァが目を丸くしながら聞くと、リアラは腰に手を当てながら言う。
長時間の魔狼化とソファーでの就寝、少し体がこったかもしれない。
「ぜんぜん違う…なんて言うか、綺麗な人……」
「ありがとう」
素直な感想を述べるディーヴァに、笑顔で答える。
「なんでいきなり戻ったんだ?」
「わからない…。なんだかこう…体の奥から力がわいてきて、なにもしてないはずなのに魔力がぐんと高まったの」
半魔にしかわからない感覚。
2人が話し合う横で、ディーヴァはリアラの姿をどぎまぎしながら見つめた。
「なるほどな。でも、魔力がいきなりって……。昨日の晩、満月だったからか?」
「うーん、違うと思う」
「あ」
ダンテには、思い当たる節がひとつだけあった。