▼ 2日目 7
しばらくして、その瞼がゆっくりと開いた。
「クゥーン…」
瑠璃色の瞳とエメラルドグリーンの瞳がかち合う。
「あ、えっと……お、おはようございます…?」
起きたリアラに驚き、あわててソファーからどこうとするディーヴァ。
リアラは去ろうとするディーヴァの袖を軽く食み、どかなくていい旨を訴えた。
何かを話すようにじっと瑠璃色の目がディーヴァを見つめる。
そのテレパシーは同じ半魔たるダンテには聞こえるが、ディーヴァには聞こえないのだ。
寝ている時にも謝罪の言葉をかけたが、今一度ディーヴァはリアラに謝罪した。
「昨日…すみませんでした。ダンテから聞いているかもしれませんが、あたしは天使の血をひいてて、特に満月の日は悪魔を恐ろしく思う気持ちが強いんです。傷つけていたらごめんなさい」
リアラは気にしていないとでもいうように、ディーヴァの手にその前足をポン、と乗せた。
(さっきも聞こえてたよ。私こそいきなりお世話になる事になってごめんなさい。それと…ありがとう)
聞こえていないのはわかっていても、リアラはそうテレパシーでつぶやいた。
そしてその舌でペロッとディーヴァの頬を舐める。
「許して、くれるんですか?」
こくり、リアラが頷く。
「ありがとうございます」
ディーヴァがぽろっと涙を一滴こぼして笑い、それにリアラもつられるように笑った。