コラボ小説 | ナノ
 2日目 5

リアラのその呼吸はとても荒く見える。
ダンテが怪我をした時や、自分が風邪をひいた時とよく似たそれ。
薄く開いた口からはゼェゼェとした呼吸音が漏れていた。


「もしかして熱があるの!?」


熱がありそうな気がしたディーヴァは、まだ少しこわいとは思いつつ、その毛皮で覆われた頭に手を触れた。


「ちょっと熱い…?」


ケルベロスと同じで氷属性に見える悪魔。
悪魔の体温が普段どのくらいで、病気の場合はどれくらい体温が上がるのか定かではないが、なんとなく熱があるように思えた。
ディーヴァは何も言わず、その頭を撫でる。
すごく大きな狼だけれど、よくよく見れば怖くない気がする。
昨日見た時はあんなに恐ろしく思えたのに。
これも満月の魔力のせいだったのだろうか…。
今はとても大きな犬。
それも見方によってはケルベロスがゴールデンレトリーバーになった時同様、かわいいものに見えた。
氷の毛皮も、ケルベロスと同じく体温調節が利くのかそれとも熱のせいか否か、肌を刺すほどの冷たさはなく、そっと撫でればビロードのようななめらかさ。
思わず頬ずりしたくなる気持ちよさだ。

なでなでなでなでなで…

ディーヴァはその気持ちよさにうっとりとして、つい何度も手を往復させてしまった。
コラ。
今は、そんなことしてる場合ではないだろうが。


「はっ…!!いけない、つい撫でまわしちゃった!!」


手を止めディーヴァは居住まいを正すと、眠るリアラに向き直ったのだった。