コラボ小説 | ナノ
 2日目 4

朝、ディーヴァはベッド上で寝返りをうちながら、険しい表情で考え込んでいた。
眠れなかったためか、その目の下には薄いクマが。
日常生活には支障をきたすことこそないだろうが、少々寝不足だ。
ふかふかのクッションをむぎゅうと抱きしめながら、ぼそりと呟く。


「あの狼の悪魔さん…ダンテは違う世界から来たって言ってた……たったひとりで…」


不安そうに瞳を揺らしていたし、ディーヴァが拒絶の言葉を発した時も若干傷ついた目をしていた。


「本人を前にちょっと失礼だったし、言い過ぎちゃったかも。……傷つけちゃったよね」


そもそも、半魔でありながらも悪魔を憎むダンテが、天使にとって脅威になるような悪魔を連れてくるわけがない。
悪い悪魔ではないはずだ。
起き上ったディーヴァは、そろーりそろーりと足音を立てずにゆっくり1階に降りた。
まだ早朝でダンテも起きていない時間。
あの悪魔さんも起きていないだろう。
静かに開けた扉、リビングの真ん中に鎮座するソファーの上にリアラは横たわっている。
その全体像を見つめるディーヴァは、おっかなびっくりではあったが、ゆっくりと近づいた。
毛皮で覆われた目の周り。
その周辺だけが濡れているように見える。
泣いていた跡にしか見えない。
ディーヴァは自分の言葉のせいなのかと思い、心を静かに痛めた。