コラボ小説 | ナノ
 2日目 3

ディーヴァとの話し合いは上手くいかなかった。
それどころか、結界を使ってまでして完全に締め出されてしまった。
結界を張られてしまえば、悪魔の血をひくものはおいそれとは入ることはできなくなる。


「あー…。しかたない、か……」


窓から覗く月は綺麗な輪を描いていて、ディーヴァが心底怖がる満月だ。
また、ディーヴァといればダンテだって自分を抑えられなくなりそうで辛い、そんな日。
天使に『怖がるな』というのは酷だろう。
明日の朝なら少しはディーヴァも落ち着くはずだ。
落ち着いてからもう一度話すのが得策だろう。
ダンテは深くため息を吐き、階下へ戻った。


* * *


「悪い、ディーヴァの説得できなか…って、寝ちまったか」


下に戻ったダンテの目に飛び込んできたのは、ソファーに横になっているリアラの姿。
体がゆっくりと上下しており、うなり声にも似た獣特有の寝息が聞こえてくる。
自分と同じ半魔…。
ふと、ついこの間まで死闘を繰り広げた血を分けた兄弟、バージルを思い出した。
しかし、半魔と言えど獣の姿の半魔など初めて見た。
彼女はたった1人、世界を渡ってこちらへ来たとのこと。
それは肉体的にも、精神的にもきているはず。


「おやすみ、いい夢見ろよ…」


ダンテは静かにその扉を閉めた。