コラボ小説 | ナノ
 1日目 8

(私はリアラ、リアラ・フォルトゥナよ。よろしくね)

「あーっと、オレは…」

(知ってる、ダンテ、でしょう?私の住んでいる世界にもいるから)

「私の、ってことは、お前、別の世界から来たのか?」

(ええ、どうしてここに来たのかはわからないけど…)


困ったように言うリアラに、ダンテはしばし思案するとある提案をした。


「なあ、行くところがないなら、オレの事務所に来るか?」

(え、でも…)

「別の世界から来たんなら、行くあてないだろ?とりあえずウチに来て、落ち着いてから帰り方探せよ」

(…ありがとう。じゃあ、少しの間お世話になります)

「そんなにかしこまらなくていいって。お前って真面目だな」


苦笑すると、ダンテはリアラを連れて廃墟を出る。


「元の姿に戻らないのか?」

(次元を越えたせいか、元の姿に戻れなくって…)

「…そうか。まあ、すぐに戻れるって」

(うん、ありがとう)


先程会ったばかりなのに、二人は慣れた様子で会話を交わす。


「そういえば、リアラっていくつなんだ?」

(23だよ)

「マジ?オレより年上か、全然そうは見えねーな」

(この姿だからだと思うよ。ダンテはいくつ?)

「オレは19」

(私より4つ下かぁ)

「そっちのオレっていくつなんだ?」

(けっこう年上だよ?36歳)

「うわ、おっさんじゃん」

(あはは、まあね)


ダンテの言葉にリアラは苦笑する。


「そっちのオレを知ってるってことは、リアラはそっちのオレと暮らしてるのか?」

(うん、ちょっと訳があって)

「そうか。オレはディーヴァっていう天使の血をひくやつと暮らしてるんだけどさ、かわいいんだぜー、あいつ」

(天使の?天使っているのね…)

「リアラは天使に会ったことがないのか?」

(うん。ダンテは?)

「オレもディーヴァが初めてだ。しかも天使って悪魔に狙われやすくってさ、半魔のオレですらディーヴァが欲しくなる時があるんだよ」

(ダンテでも?)

「ああ、特にこういう満月の日は」

(満月…)


ダンテの言葉に、リアラは空を見上げる。空には、弧を描いた月が浮かんでいる。


(私の世界も満月だったな)

「そうなのか?もしかしたら、それがリアラがここに来たことと関係があるのかもしれないな」

(ええ、そうね)


頷き、二人は事務所を目指して歩みを進めた。