▼ 1日目 7
ダンッ!ダダダッ!!
「ほら、逃げてばっかりいないでこっちに向かってこいよ!」
縦横無尽に飛び回りながら、ダンテは目にも止まらぬ早さで銃を撃ち続ける。悪魔もまた素早い動きでダンテの銃撃を避ける。
(お…い、…めて、止めて!)
「…っ、また…!」
頭に響く声に、ダンテは顔をしかめる。先程から途切れ途切れにこの声が響いていて、その度に動きが鈍る。それに、この悪魔と対峙していて、ダンテはあることを感じていた。
(こいつ、他の悪魔と違う…)
悪魔なら種族が違ってもどこか似たようなものがあるのだが、今目の前にいる悪魔は、今まであったどの悪魔とも違う。何というか…。
(オレと、似てる…?)
気配が半魔である自分と似ているのだ。似ている、というよりはほぼ同じ感覚、と言ってもいい。
(まさか…オレと同じ、半魔…?)
ダンテは銃を下ろすと、動きを止めて悪魔を見つめる。悪魔も足を止めたが、怯えているのか柱の影に隠れてこちらを見ている。
ダンテは悪魔に近づくと、ゆっくりと口を開いた。
「お前…オレと同じ、半魔か?」
(…うん…)
こくりと狼は頷く。声の高さからして女だろう。
あー…、と困ったように頬を掻き、ダンテは彼女の頭に手を置く。
「その…悪かった。同じ半魔って気づけなくて…」
(ううん、こっちも混乱してたから…。気にしないで)
ふるふると頭を振ると、あ、と思い出したように彼女は言う。
(ご、ごめんなさい!初対面なのにこんな…)
申し訳なさそうに頭を下げる彼女にダンテは苦笑する。
「あー…いいよ。敬語はなしな?」
(え、でも…)
「いいって、敬語苦手だし。それに、ここで会ったのも何かの縁だろ?」
くしゃくしゃと頭を撫でて優しく笑うダンテに、彼女は目を細める。
(…ん。ありがとう…)
姿勢を正すと、彼女は自己紹介を始めた。