▼ 1日目 6
「ここか」
気配を頼りに歩いて辿り着いたのは、スラム街の隅にある廃墟だった。先程感じた気配は、間違いなくこの中から感じる。
ためらいもなくダンテは歩みを進める。ギィィ、と錆びた音を立てる扉を開け中に入ると、気配のある場所に従い、奥にある階段を上がる。
「さてと、一体どんな奴なのやら」
一人ごちて階段を上がりきると、ダンテは部屋を見回す。すると、部屋の奥に小さな白い影を見つけた。
よく見ると、それは白い狼だった。だが普通の狼と違い、魔力を纏ったそれは耳や胸元、尻尾の先が水色の氷に覆われ、足には透明な爪を携えている。今まで自分が見てきた悪魔と違い、美しささえ感じさせた。
悪魔も気づいたのか、顔を上げた。瑠璃色の目が見開かれる。
(…テ、さ…)
「?何言ってるかわからねぇけど…相手してもらおうか!」
ニヤリと笑うと、ダンテは両手に双子銃を構え、悪魔に向けて無数の弾丸を放った。ダンテの素早い動きに反応し、悪魔は瞬時に避ける。
「ハハッ、少しは楽しめそうだ!」
楽しげに笑うと、ダンテは地を蹴った。