コラボ小説 | ナノ
 1日目 4

場所は変わり、スラム街の隅にある、寂れた廃墟。元は工場であったろうそこに、一つの影がうずくまっていた。


「…ウ…」


小さく呻き、影ーリアラは目を開ける。


(ここ、は…?)


倒れたまま、辺りを見回す。以前、ダンテと依頼で来た工場に似ているが、本能が違う場所だと訴えていた。
起き上がろうとしたリアラは自分の手を見て、魔狼の姿になっていることに気づく。


(あれ…?何で私、魔狼の姿になって…)


今日は一度も魔狼の姿になっていないはずだが。とにかく戻ろうとリアラは目を瞑って集中するが、いつものように戻ることができない。


(戻れない…!何で…!?)


先程の出来事のせいで、身体に何かしら異変が起きてしまったのだろうか。
もし、このまま戻れなかったら…。


(っ、ダンテさん…!)


恐ろしい考えが頭をよぎり、リアラはすがるようにかの人の名前を呼んだ。