コラボ小説 | ナノ
 The season that rotates 4

「はー、気持ちよかったー!」


満足そうな顔で風呂から上がった紅は、着替えを済ませるとタオルで頭を拭きながらリビングへ向かう。


「リアラー、お風呂空いたよー」

「あ、ありがとう」


声をかけられたリアラが振り返る。手元には恋人から届いた手紙があり、自分がお風呂に入っている間に読んでいたのだとわかる。
紅はリアラの隣りに座る。


「おっさん何て?」

「私が元気にしてるかっていうのと自分の近況、あと、週末に遊びに来てくれるって」


そう言って笑うリアラは本当に嬉しそうで、やっぱりリアラもおっさんに会いたいんだな、と紅は思った。


「そっか、よかったじゃん」

「うん。あ、あとね、時々若とメールしてるみたいだけど、紅と会いたい、ってばっかり言ってるんだって」

「おっさんがダンテと?」


あの二人がメールでやり取りをしてるなんて驚きだ。それにしても、ダンテがそんなことを言っているなんて。
嬉しいような、恥ずかしいようなで紅は頬をほんのりと赤く染める。くすりと笑みを零し、リアラは続ける。


「あんまりそう言うから、ダンテさん、『紅にメールしたらどうだ』って言ったんだって。『電話してもお互いにすぐ返せないだろ』って」


私と考えること同じだね、とリアラが言ったその時、テーブルに置いていた紅の携帯が鳴った。着信で流れた音楽に、紅が目を見開く。


「もしかして…」


携帯を手に取り確認すると、思った通り若からのメールだった。
くすくすと笑みを溢し、リアラは言う。


「タイミングいいね。若、何て?」

「最近忙しくて電話できなくてごめん、って。週末に休みできたから遊びに行く、って…」

「週末か、ダンテさんと来る日一緒だね。待ち合わせ場所は決まってるの?」

「アパートに来る、って」

「あ、そこもダンテさんと同じ。ふふ、名前が一緒なだけあるね」


どんな服着るか考えておかなきゃね、とリアラは微笑む。小さく頷いた紅は、嬉しさに携帯を握りしめた。