コラボ小説 | ナノ
 The season that rotates 1

「ほら、紅、行くよ!」

「わわっ、待って、リアラ!」


先に玄関に出ていたリアラに急かされ、紅は慌てながら靴を履くと立ち上がる。
あれから十ヶ月、無事学園を卒業した紅達はそれぞれの道を歩んでいた。キリエは保育士を目指して、バージルは高校の数学教師を目指してそれぞれ違う大学に通っている。若はというと、なんとある芸能会社が彼の歌の才能に目を留め、ミュージシャンとして活動することになった。今は芸能界デビューに向けていろいろと忙しそうに準備している。
ちなみに紅は高校の体育教師、リアラは高校の保健医を目指して隣り街の大学に入った。同じ大学に通うし、資金節約にもなるということで二人で相談して大学近くのアパートで二人で一緒に暮らしている。


「忘れ物はない?」

「うん、大丈夫!」

「よし、じゃあ行こう!」

「うん!」


今日もよく晴れた空の下、二人は大学に向かって歩き出した。