コラボ小説 | ナノ
 good morning! 6

「おじさーん、起きてるー?」


コンコンと部屋をノックするが、返事はない。まあ、いつものことだ。
雪菜は部屋の扉を開けて中に入ると、まっすぐにベッドの方へと向かった。
ベッドに近寄ると、案の定、髭がすやすやと気持ちよさそうに寝ていた。
雪菜は布団ごと髭の身体を揺さぶる。


「おじさーん、朝だよー!」

「う…ん」

「早く起きて、もうみんな下にいるんだから」

「もう少し寝かせてくれ…」

「だめ、ねこちゃんが学校に遅れちゃう!」


渋る髭の身体をなおも揺さぶっていた雪菜は、突然腕を引っ張られてバランスを崩した。


「わっ!」


ぼふっと音を立ててベッドに倒れ込み、慌てて雪菜が顔を上げると、目の前には楽しそうな笑みを浮かべる男性−髭がいた。
髭は四番目に造られた『sing doll』で、色っぽい外見に似合わず子供っぽいところがあり、悪戯好きな性格だ。
時々、若と一緒に他のメンバー(雪菜達も含む)に悪戯するため、若並みに手間のかかる時がある。
髭はもう片方の腕で雪菜を抱き寄せ、囁く。


「まだまだ仕事までには時間があるだろ?一緒に寝ちまおうぜ」

「〜っ!」


今置かれている状況に雪菜は顔を真っ赤に染めると、目の前の顔に容赦なく左ストレートをくらわした。