▼ good morning! 5
「たまには自力で起きてみたら?そうしたら、バージルに叩き起こされなくて済むじゃない」
「無理。どうしても二度寝したくなるから」
あの瞬間が最高なんだよなー、と言う若に雪菜は頷く。
「まあ、その気持ちはわかる」
休日の朝に一度起きて、「あともう少し」と寝る瞬間は堪らなく幸せだ。
「だろ!?やっぱそう思うだろ!?」
「でも、仕事の日は起きないとね」
遅刻はありえないからね、と雪菜が言うと、う…と若は言葉に詰まる。
ふぅ、とため息をつき、雪菜は苦笑しながら言った。
「今日がんばったら、ストロベリーサンデー奢ってあげる」
「!本当か!?」
「うん」
「やったー!雪菜大好き!」
「わわっ」
自分の大好物を奢ってもらえると聞き、一気に機嫌をよくした若は、勢いよく雪菜に抱きつく。
まだ寝た時の格好のままだったのか、上半身裸の若に雪菜の顔が赤くなる。
「ち、ちょっと若、せめてシャツ着て…」
「何でー?いいじゃん」
「よくない!全然よくないから!」
ますます顔を赤くする雪菜に若は楽しそうに笑う。
「雪菜かわいー」
「う、うるさい!ほら、早くシャツ着て下行って!ねこちゃん学校に遅れちゃう!」
こうしている間にも、時間はどんどん進んでいる。早くみんな集まらないと、朝ご飯が食べられない。
わかった、と頷き、部屋に戻った若にほっと一息つき、雪菜は隣りの部屋へ向かった。