コラボ小説 | ナノ
 good morning! 3

準備を終えた雪菜はリアラと共に、研究所(ラボ)から通路を通り、事務所へと入った。


「おはよー」


ガチャリと扉を開けて雪菜が言うと、居間のテーブルにいた女の子が雪菜に向かって手をあげた。


「つなちゃん、おはよー」

「おー、ねこちゃん、おはよー。早いねー」

「学校あるからねー」


苦笑しながら『ねこちゃん』と呼ばれた少女−たまごねこが返す。
たまごねこは雪菜と同じ日にこの会社に入った、いわば同期だ。『sing doll』達のメンテナンスを担当しており、学生と二足の草鞋を履きながらやっている。ある意味器用だ。


「今日のご飯当番は2様と誰ー?」

「リアラちゃん」

「え、まじで?ごめん、リアラ」


たまごねこの答えに驚き、雪菜は隣りにいたリアラに手を合わせて謝る。
気にしなくていいですよ、とリアラが微笑んだ時、二階から男性が降りてきた。


「あ、初代おはよー」

「雪菜か、おはよう」


欠伸をしながら男性−初代は答える。
初代は一番初めに造られた『sing doll』で、とても面倒見がいい。雪菜やたまごねこにとってもお兄ちゃんみたいな存在だ。


「若とおじさんは?」

「若なら今、バージルが」

「うぎゃあああ!!!」

「…またか」


初代の声を遮るように、二階から若の叫び声が響き、雪菜は相当な起こされ方をしたな、と察した。


「…今日は蹴りでもいれたかな」

「…そんな気がするな」


頷くように初代が呟く。
雪菜は二階を見上げたまま言った。


「これじゃあおじさんも被害に会いそうだから、起こしに行ってくる」

「ああ」


雪菜は二階へ続く階段を上がる。廊下に着いたところで、右奥から二番目の扉が開き、男の子が顔を出した。