コラボ小説 | ナノ
 good morning! 2

本社に隣接する研究所(ラボ)のある一室。
青系と白でまとめられた室内は、女性らしい家具や小物が置かれているが、机には青いPSPが置いてあり、側のかわいらしい箱にはゲームカセットが大量に入っている。しかも、部屋の主の趣味なのか、棚の上にたくさんのグ○ーミーが置かれている。
水色のカーテンの隙間から朝日が零れ、窓際のベッドに射し込む。その時、ベッド脇の本棚に置いてあった目覚まし時計がピピピピピ、と機械音を立てて鳴り出した。
布団にくるまっていた塊がもぞもぞと動き、「んー…」と声を漏らす。緩慢な動きで腕を伸ばし、鳴り響く目覚まし時計を止めると、またもぞもぞと布団の中に腕を収めた。


「もう少し寝れる…」


布団の中から小さく声が溢れた時、部屋の扉が音を立てて開いた。
扉を開けた影は一直線にベッドに近寄ると、布団ごと塊を揺さぶった。


「マスター、もう朝ですよ」

「んー、もう少し寝かせてー…」

「だめです、そう言って一時間や二時間は寝ちゃうんだから」


だってー…、と塊が呻く。


「昨日『ペ○ソナ3』やってたんだよ、もう少しでサマエルできるんだよー…」

「遅くまでゲームしてたことはわかりましたから、早く起きてください」


なおも影が塊を揺さぶると、うー…、と呻きながら、塊が布団から顔を出した。


「早く起きないと2様の作った朝ご飯、若に盗られちゃいますよ?」

「お父さんのご飯は食べたいわ…」


そう言うとようやく布団から起き上がり、黒髪の女性はまだ眠たそうな表情で影を見た。


「おはよー、リアラ」

「おはようございます、マスター」


くあ、とあくびをすると、女性は自分を起こしに来てくれた影−リアラの言葉に苦笑する。


「リアラ、『マスター』じゃなくて名前で呼んでっていつも言ってるでしょ?」

「ああ、そうでした。ごめんなさい雪菜」


リアラは苦笑を溢すと、黒髪の女性−雪菜の名を呼んだ。


「敬語もいいんだよ。同じ歳なんだから」


なかなか難しいかもしれないけれど、と雪菜は苦笑する。
雪菜がリアラに『マスター』と呼ばれたり、敬語を使われたりするのは、雪菜がリアラ−六人目の『sing doll』の設計者(正確には発案者)だからだ。一年ほど経った今でも、時々こうやって言われたりする。
リアラはふるふると首を振った。


「ううん、そんなことない。ありがとう、雪菜。ついつい敬語で言っちゃうから…」


そう言い、微笑むリアラに、雪菜も笑いかける。そして、気づいたようにあ、と声を上げた。


「早くしないと若に朝ご飯盗られちゃうね。急いで準備するから待ってて」

「うん」


リアラが頷くのを確認してから、雪菜は素早くベッドから立ち上がった。