コラボ小説 | ナノ
 a bosom friend invitation

夜、寮のとある一室。
リアラはベッドに寝転がりながら雑誌を読んでいた。
リアラが読んでいるのは地元のファッション誌。地元の店で買える服やアクセサリーで着飾ったモデル達がページを彩り、モデル達が着ている服やつけているアクセサリーの値段と売っている店の情報も載っている。
iPodで音楽を聞きながら雑誌のページをめくっていたリアラは、あるページで手を止めた。


(あ、これかわいい…)


リアラが手を止めたページはそれぞれのお店おすすめの服やアクセサリーが載っているコーナー。その中に、猫耳の形をしたかわいらしい帽子が載っていた。


(これ、紅に似合いそう…)


紅が猫好きだというのと、彼女の性格や甘える仕草がまるで猫のようなため、リアラはこの帽子を見て、自然に紅のことを思い浮かべていた。
猫耳の形をしているといっても、そんなに主張しているわけでもなく、近くで見て猫耳だとわかるくらいだ。それに、鍔の近くをリボンが飾るのみのシンプルなもので、それがよりよいと思わせた。色も様々あるようで、ついつい迷ってしまう。


(あ、このお店、学園近くの商店街だ)


帽子を売っている店を確認すると、自分達が通っている学園から30分ほど行ったところにある商店街だった。
いろいろと新しいお店ができたんだなあ、と思っていたリアラはあることに気づいた。


(そういえば、3年生になってから、まだ紅と遊びに行ってなかったな)


3年生になってから、恋人である髭とは何回か出かけている(まあ、デートなわけだが)が、親友である紅とは、まだ一度も遊びに行っていなかった。


(明日は祝日だし…久しぶりに紅と遊びに行こうかな)


髭と出かける時はどちらかといえば隣町などの遠くだし、その時に服も見るとはいえ、意見を聞けるのは異性である髭だ。久しぶりに近場でゆっくりとショッピングを楽しみたいし、同性である紅の意見も聞きながら服を選びたい。


(うん、久しぶりに紅と遊びに行こう)


そうと決まれば、まずは紅に予定を聞かなければ。
だが、今から部屋を尋ねるのは何だか気がひけるし(彼女なら気にしないで迎え入れてくれそうだが)、とはいえ、何だか声が聞きたいし。
迷った末、リアラはベッドから起き上がり、机に置いていた携帯を手に取る。電話帳から紅の電話番号を選び、通話ボタンを押した。しばらくして繋がり、彼女が出ると、リアラは口を開いた。


「もしもし、紅?」