翌日、リアラはある建物の前に立っていた。


「ここね」


建物を見上げ、リアラは呟く。建物の入口上には『DevilMayCry』と書かれたピンク色のネオンサインが立て掛けられている。


「長かったな…」


フォルトゥナを出てからの三ヶ月を思い出し、リアラは感慨深いため息をつく。
昨日、依頼が終わり別れ際に告げられたダンテの言葉に背中を押されて、今朝早く隣街を出てこの街にやってきた。
ここはスラム街らしく、あまり治安がよくないらしい。確かに、昼間から柄の悪い奴等がうろついているし、街を見ていて何ていうか、その…夜のお店も多かった。こんなところに事務所を構えているのを不思議に思いながら、リアラは街の人達にダンテを知らないか聞いて回った。すると意外にも早く情報が集まり、事務所の場所もすぐにわかった。その情報を頼りに探し、ここまで来た、というわけだ。


「…よし!」


一度深呼吸をして気持ちを入れ替えると、リアラは一歩を踏み出した。




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